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−行動と生態の多様性−









各章の内容


1 序 章
この本を読むために必要な予備知識,幼虫や成虫の形態名称,生態学の用語などについて解説。


2 生息場所選択と産卵
トンボの成虫が産卵場所を選択する際の,手がかりや行動の多様性について,至近要因と究極要因の両面から解説。


3 卵および前幼虫
卵の季節適応とその多様性に関する章。卵の外部形態や休眠性を主に冬季や乾季を乗り越えるための適応現象として説明。


4 幼虫:呼吸と採餌
呼吸には体表面,葉状尾部付属器,直腸が使われる。その相対的な依存度を幼虫の微生息環境と関連づけて説明。幼虫の下唇を使う採餌行動とその触覚依存性や視覚依存性なども解説。


5 幼虫:生物的環境
幼虫と他の生物との関係。植物との共生生物,胞子虫の宿主,吸虫などの中間宿主としてのトンボを解説。また,発育段階によって攻守が入れ替わる魚類,両生類などとの食う食われる関係の研究例を紹介。


6 幼虫:物理的環境
元来熱帯を起源とするトンボが,寒冷地や高山に適応してきた要因を議論。溶存酸素,塩分濃度,乾燥,水質汚染物質などに対する耐性や適応についても説明。

 
7 成長,変態,および羽化
幼虫の発育に伴う形態や生理的な変化と,その日長や温度の影響について解説。季節的な生活環の多様性の創成要因についても議論。

 
8 成虫:一般
成虫の前生殖期と生殖期について,その変化を形態,色彩,行動,生理によって観察した例を紹介し,前生殖期のもつ意味とその多様性を議論。そのほか,体温調節,日周活動,捕食,競争についても解説。

 
9 成虫:採餌
成虫の採餌行動を探索,捕獲,処理,摂食などの成分に分割することで,トンボの採餌ニッチの多様性を整理。また,生活史を通してのエネルギー収支について議論。

  
10 飛行による空間移動
トンボの中には日常的な移動範囲を越えた大規模な移住飛行を行う種がいる。大規模飛行と上昇気流や季節風との関係を解説し,大規模飛行の意味を議論。

 
11 繁殖行動
繁殖がうまくいくには,雄と雌が効率よく出会い,雌雄が互いに同種であることを認識し,雄が雌に精子を渡し,雌は幼虫の生存に都合の良い場所に産卵することが必要である。繁殖行動をこの4つのプロセスの総体として考え,トンボ達がそれぞれのプロセスに応じて進化させてきた行動の多様性を議論。その結果に基づき,配偶システムの新しい分類法を提案。


12 トンボと人間
人間がトンボに対してどのような好悪の感情をもっているか,地域文化との関連において紹介。また,トンボ群集は集水域の指標生物として優れていることを示し,トンボの生息地保護を推奨し,保護活動に対し様々な提言をしている。


巻末:

用語解説 付表 引用文献 追補文献 生物和名の参考文献 トンボ和名学名対照表 人名索引 トンボ名索引 事項索引


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